2011年9月23日金曜日

よるはなす 6


うん そろそろ酔いもさめてきた
ほんとだって

「ぼくらがひとつの終わりそして始まりになるために
どんなスポーツシャツがどのくらい必要なのか」

前世紀に ひとりの詩人はこんなことを書いた
それにしても詩を口ずさむなんて正気じゃないな
僕もひとつの終わりってやつが近いのか

詩人はどのくらいスポーツシャツを集めたんだろう
ひとつの終わりそして始まりになれたんだろうか

僕は毎晩 夢で幾多の生を生きるけど
スポーツシャツの夢は見たことがない
不勉強にもほどがあるね

僕の夢の生涯はマンションの4階のベランダから
落ちてジエンドと決まってる
笑うなよ 高所恐怖症なんだ

ああ まだ切らないでくれ
僕の酔いはまださめていないみたいだ

ここは少し風がふいてて僕は震えてる
話すことは何ひとつないけど
もう少し楽しい嘘をつくからさ

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