よるはなす 6
うん そろそろ酔いもさめてきた
ほんとだって
「ぼくらがひとつの終わりそして始まりになるために
どんなスポーツシャツがどのくらい必要なのか」
前世紀に ひとりの詩人はこんなことを書いた
それにしても詩を口ずさむなんて正気じゃないな
僕もひとつの終わりってやつが近いのか
詩人はどのくらいスポーツシャツを集めたんだろう
ひとつの終わりそして始まりになれたんだろうか
僕は毎晩 夢で幾多の生を生きるけど
スポーツシャツの夢は見たことがない
不勉強にもほどがあるね
僕の夢の生涯はマンションの4階のベランダから
落ちてジエンドと決まってる
笑うなよ 高所恐怖症なんだ
ああ まだ切らないでくれ
僕の酔いはまださめていないみたいだ
ここは少し風がふいてて僕は震えてる
話すことは何ひとつないけど
もう少し楽しい嘘をつくからさ
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