2011年9月24日土曜日

記憶から半歩ずれて


記憶から半歩ずれて ごろりと寝ころぶ
猫の眼には暮れかかる街
サルート!
遠くで泡まみれの男が叫んでいる

いま俺たちはここで安らかだが
どこかでガラスを割る音が聞こえたら
それまでさ
缶詰め喰ってる暇もなく全て消える

紙を数える仕事は俺たちを数える仕事に似てる
幸福から半歩ずれて俺たちは薄い
手を切るなよ
ゆっくりと揃えるんだ この世の端を

繰り返す歌 繰り返す笑い
店先から漏れ出す肌色の光
オーケー
だが世界はすこしずつ暮れてゆく

俺たちの内部の熱は はかなく揺らぎやすく
空の奥からチカチカ光る寒気はやってくる
だから地面に横たわり
記憶から半歩ずれて空を見上げているんだ

このままここで
夜が来るのを見ているんだ

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